穂足のチカラ
さて、梶尾真治著の小説第2弾、「穂足のチカラ」を読みました。
穂足(ホタル)は4歳の子ども。海野家の普通の子どもだった、ある日までは。
海野十三郎(曽祖父)は、体が衰え、そろそろ頭がボケだしてきた。海野浩(祖父)は、実成印刷の無能な営業社員で、リストラにあいかけている。海野月夜 (祖母)は、パチンコ依存症で、そのために闇金に借金がある。海野七星(母)は、高校生の時に、穂足を産んだ。海野太郎(叔父)は、高校生だが、登校拒否をして学校を休んでいる。
海野家の家族は、皆それぞれが問題を抱えていた。だが、ある日穂足が交通事故にあって意識不明になった時、穂足に触った家族が次々と変わっていった。十三郎は、元気になった。月夜はパチンコで玉を自由に出すことができるようになり、依存症が治った。七星は、急に男のもてるようになった。太郎は、他人が怖くなくなり、学校へ行けるようになった。そして、周りの人々も次々に変わっていった。皆、悪いことを考えなくなり、良い人になっていくのだ。これは、なぜ?。穂足に何かあるのか?。
どうも穂足はキリストの再来らしい。七星は、処女懐妊したという。そして、3人の博士もちゃーんと現れるのだ。ただ、キリストとの時とはかなり違って、一人は牧師で一人は僧、もう一人はなんと科学者。
人間から悪い心が無くなって、良いことだけを考えるようになったら、どんな世の中が来るのだろう。人それぞれの欠点が克服され、皆同じように勉強ができるようになり、有能な社員となる。それはどんな世の中なのか?。
競争はなくなる。必要無いから。皆優秀な人材になれるのだ。犯罪も無くなる。その内戦争も無くなり、世界はほどほどに豊かで満ち足りたものになるのだろう。なぜほどほどかというと、欲も無くなるからだと思う。
人の心の中にこそ、天国もあれば地獄もあるのだ、と私は思う。他人の幸福を喜ぶ気持ちも持ってはいるが、妬み羨む気持ちも持っている。それが人間だから。妬みや恨み、競争心も無くなった世界、そこは天国なのだろうか?。
この小説では、宇宙の意思が地球に人類が誕生したことを知り、その果てしない欲望が地球だけでなく宇宙へと飛び出していくのを防ぐために穂足を遣わしたらしい。
欲が無い、発展も無い、だが安定した社会。それが理想の社会なのか?。私にはよく分からない。だが、人間の欲望の結果が地球環境の悪化だとは思う。
| 固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)


















































最近のコメント